生立華は初期の頃、神仏への献花・供華としての性格を残していました。そのため、一枝一葉に祈りをこめて生けられたと考えられます。
生立華の構造は、大自然の山嶽美を理想化したものです。つまりその姿は、大自然が遠く近くに展開する景をさながら連想させるものです。
生立華は立てる花
生花や盛花は、「いける」と言い、決して生花を「立てる」とは言いません。つまり、生立華は立てることを原則とし、大自然の美とその心を表現しようとする花なのです。
遠州のいけばなの根本
遠州の生花の流麗な美しさは、流内外に知れ渡っていますが、その生花は、生立華から生まれ、生花の天・地・人の三枝の基本概念が盛花、投入花の様式を生んだのです。