「遠州」の特徴②-変格花矩・曲いけ

変格花矩の花体

変格花体は、花体を構成する役枝の1つ以上が、円相の外に流れ出しているものです。それを「流し」と呼びます。 この流しと役枝との関係から、変格花矩による花体の種類が生じます。それは次のような7種類です。

  1. 真流し(内)
  2. 真流し(外)
  3. 真添え流し
  4. 肩流し
  5. 内胴流し(内流し)
  6. 行流し
  7. 留流し

これら7種類の花体から、なお変化をあらわした花形に、次のような花形があります。

  1. 破格花体
  2. 曲いけ

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曲いけのいろいろ

曲いけというのは、役枝の曲が特殊な趣向を見せて流される花体で、「富士流し」「真結び」「行結び」「観世流し(立観世、横観世)」「行巻き出し流し」「留巻き出し流し」など様々な種類があります。 また、「二重撓め真」「三重撓め真」のように、真が二重にも3重にも曲を描いて豊かに立ち上る花体も曲いけにはいります。 このほか、真流しの変化である、「谷渡り」「谷越え」「水くぐり」などもあります。 曲いけは、遠州生花の特徴をもっともよくあらわす花形として、その流麗な線の美しさと作意の秀抜さが、古くから愛好されてきました。

左:富士流し/中:真流し 結び柳/右:外胴流し